微炭酸のしょう油

やわらかいところ、刺してもいいですか?

秒ごとに尊厳が上がっている感覚を味わったことはあるだろうか

深夜の横断歩道。赤信号だったので足を止める。車は全く来ていない。気配すらない。誰が見ているわけでもない。多くの人が渡ってしまうだろう。逆に深夜に赤信号を守っているほうが少し目立つような気がする。

 

この赤信号を守っている間、ぼくは自分の尊厳が上がっているような気分になる。意味があるかといえば、たぶんない。普通に赤信号を無視して渡ったほうがメリットは多い。早く帰れるし、寒さを我慢しなくていいし。ただそんな得を捨てて、意味もなくそこにあるルールを守っている時間、これがなんとなく好きだ。

 

そこに美しさがあると思う。人としての行いの中で「深夜の赤信号を守る」ことは、かなり美度(びど)の高い行動だと思う。

 

美度(びど)なんて言葉ないけど。