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キングオブコント2021予想 〜蛙亭が時代を動かす〜

今日、19時から「キングオブコント2021」が放送される。

ニューヨーク屋敷いわく「渋いメンバー」と言われる10組が揃ったが、個人的に注目しているコンビがいる。「蛙亭」だ。

 

賞レースとは、「次世代のスター」を排出する番組である。賞レースで優勝したり、注目を集めたコンビは、テレビの舞台への挑戦権を得ることができる。ただ、近年では「次世代のスター」どころか、時代そのものが動いている印象も弱くはない。

 

最も印象的だったのは「第7世代」の活躍だ。キングオブコント2018でハナコが優勝し、同年のM-1グランプリ霜降り明星が制した。そこからの第7世代の活躍は説明するまでもない。テレビが第7世代一色になり、どこを回しても第7世代の姿を見るようになった。

 

ただ、その勢いを止めたきっかけも、賞レースにあったように思う。霜降り明星が優勝した翌年のM-1グランプリはミルクボーイが、その翌年の2020はマヂカルラブリーがキングの称号を手にした。キングオブコントも2019はどぶろっく、2020はジャルジャルと、第6世代の実力者たちが王者に輝いている。

 

そこで現在のテレビを見てみると、やはり第7世代の勢いはわずかに陰り始め、逆に第6世代の実力者たちがその実力を大いに発揮している。もちろんテレビとネタでは、その役割も内容も違うことはわかってはいるが、マヂカルラブリーがその実力の裏付けとして、ある種のプロップスを得たことは活躍に大いに関連していると思う。

 

 

そこで、今回のキングオブコント2021だが、ここで蛙亭が優勝するとキングオブコントで初の「女性王者」が生まれることになる。近年、テレビでの女性芸人の需要は徐々に高まっているように思う。テレ朝深夜のバラバラ大作戦では、Aマッソ加納、3時のヒロイン福田麻貴、ラランドサーヤの「トゲアリトゲナシトゲトゲ」がトガリまくったお笑いをやっているし、同枠でピン芸人ヒコロヒー擁する「キョコロヒー」は総選挙という投票企画で1位にもなった。他にも納言やぼる塾、吉住等、ネタやバラエティで活躍している女性芸人は多くいる。

 

時代が動くきっかけはすでにある。ゆりやんレトリィバァR-1グランプリを優勝したことである。女芸人の賞レース「THE W」も優勝していたし、ゆりやんの実力はすでに知られていたこともあって、「女性がR-1を制した」ことのインパクトはあまりなかった印象だが、ここで蛙亭が優勝し、「女性初」が注目されれば、時代は大きく動くのではないだろうか。

 

蛙亭もそうだが、今の女性芸人は「女であること」をアイテムの一つにはしても、武器にはしていない。そもそも女性芸人と男性芸人を分けて考えることすら、ナンセンスなのかもしれない。ただ、お笑いにおいても女性のほうが優れている能力は確かにあるように思うし、女性だけが見えている景色も存在するように思う。その「角度の違い」が、今確かに実力がある女性芸人たちの口から語られることで、ある種の「新しさ」を感じてしまうのかもしれない。

 

 

奇しくも自民党の総裁選でも女性初の総理大臣として高市早苗さんが注目されていた。惜しくも高市さんは自民党総裁にはなれなかったが、時代的に世の中が女性の力を求めている背景はできあがりつつある。お笑いの世界では、ここで蛙亭がキングになり、女性芸人の時代を作り上げてほしい。だって女性芸人は面白いから。