微炭酸のしょう油

やわらかいところ、刺してもいいですか?

時間に取り残される

ちょっと前に「今年が2021年だということに慣れ始めたな」と思っていたのだが、どうやらもう2021年は終わってしまうらしい。

 

この「今年に慣れる」という感覚に、年々時間が必要になっているように感じている。

20代のうちは、上半期中には「今年」というものを受け入れていた感覚はあったが、30歳を超えるとなんとか今年中にギリギリ「今年を受け入れる」ことができている感覚だ。

 

もうちょっとしたら、おそらくぼくは「今年」に取り残される。

「やっと2021年に慣れてきたと思ったら、もう2022年だった」なんてことになっていくだろう。

そして一度取り残されたらもう取り戻せない。

 

子供のときは逆に時間を置き去りにするように生きていた。

生きても生きても時間のほうが追いついてこない。

だから夏休みは永遠のように感じられたし、20分の休み時間にドッチボールをやりに校庭に遊びにいくことができた。

 

1秒の時間は年々短くなっているように感じている。

それはぼくらが時間に取り残されているからだ。

時間はどんどん進んでいく。

 

ぼくらのことはいい。

自分の足でゆっくり着いていくから。

未来で待っていてくれ。

 

 

 

cold feel point

今日はとても寒かった。

人によってcold feel point(寒さを感じる尺度。今作った)は異なるが、ぼくは他人よりCFP(cold feel pointの略。さっき作った言葉をもう略語にしたことを褒めてほしい)が高め(高めのほうが寒がりということ。最初から「寒がり」と言えばいいのでは?という疑問はぼく自身も抱いている)なので、今日の寒さは身体に堪えた。

CFPが高い場合にはATG(atsugiの略。つまり「厚着」)をするしかない。

いい感じのカーディガンが欲しい。

 

 

 

スイス

スイスに行ったことがあるという友だちが、

「時計がいっぱいあったよ」と言っていたので、

「じゃあ今何時か分からないじゃん」と返した。

 

その場にいる誰にも伝わっていなかったようだったが、

なかなか気の利いた返しだったと思ってる。

ぜったいにへこたれない。

 

 

キングオブコント2021の感想 〜伝説の回にはいつもニューヨーク屋敷がいる〜

キングオブコント2021が終わった。終わってみれば、途中で小峠さんが「伝説の回になるんじゃないか」と言っていたが、本当に伝説の回になったように思う。

 

キングオブコントに関わらず、賞レースというのは主に2つのエンターテイメントが存在すると思っている。それは「ネタの面白さ」と「それがどう評価されるか」という部分だ。賞レースでは各コンビのネタが採点され、それが結果的に優勝者を決めることになる。したがって、「どう評価されるか」が結果を変えてしまうものであり、その意味で審査員の役割はとてつもなく大きい。

 

今大会は数年ぶりに審査員が一新された。従来までのさまぁ~ずとバナナマンの4人が卒業となり、かまいたち山内、ロバート秋山、バイきんぐ小峠、東京03飯塚の4人が新たに審査員となった。今大会は今までよりも高得点が多く出ていた印象があるが、この「高得点が多く出た」ことが、今大会を「伝説の回」にした一つの要因であるとぼくは感じた。

 

一組目は蛙亭だった。個人的に優勝してほしかった筆頭の蛙亭がトップで出てしまうのは少し残念だったが、ネタの内容はとても素晴らしいものだった。気持ち悪さが全面に出ているネタにも関わらず、そのキャラを瞬時に受け入れさせ、最終的には感動的な要素さえも感じさせてしまう物語性を帯びたネタだった。ぼくは「面白いなあ」と思いながら見ていたが、やはりトップのコンビに高得点を出してしまうと、その後に更に面白いコンビが出てきたときに上で詰まることになってしまう。なのでそこまでの点数は出ないのだと思っていた。

 

しかし、出てきた採点は全員が90点を超える461点。これはキングオブコント2020で2位となったニューヨークと同じ点数だった。結果的に蛙亭はファイナルラウンドにも進めなかったのだが、本当に素晴らしいネタに対して高得点が出た。ここでぼくを含めた視聴者は「やっぱりこのネタは面白かったんだ」と安心することができた。これが大会の雰囲気が決まった瞬間だったように思う。今年初めて審査する4人を含めた審査員たちが、いいネタに対していい点数を出したことは、最高に素晴らしかった。

 

全体で見ると、点数のインフレはかなり大きい。単純に比較することに意味はないとはわかってはいるが、去年のファーストラウンド3位の点数は空気階段の458点。これをボーダーと考えたら、今年は7位のうるとらブギーズまでがファイナルラウンドに進めることになる。しかしこれは、審査員が変わったことで基準が変わってしまったとはぼくは思わない。内容を見れば、本当に今年のレベルは高かったし、7位のうるとらブギーズがファイナルに進んでも誰も文句はないネタだった。したがって、ここでインフレしたのは「審査員の点数」なのではなく、「ネタの質」だったのだとぼくは思っている。その良質なネタを「正当な評価」を下すことができたのが、キングオブコント2021の審査員の方たちだった。

 

★★★

 

大会を大きく振り返れば、序盤は審査員の点数が割れていたように思う。蛙亭ジェラードンで言えば、山内、小峠、飯塚の3人はジェラードンを数点低くつけたのに対し、逆にロバートの秋山は、蛙亭に90点、ジェラードンに96点の高得点をつけた。松本人志も他の審査員と少し審査の傾向が異なった。ニッポンの社長の点数に一人80点を出したり、男性ブランコも他が高評価の一方で点数は低めだった。

 

松本人志自身も男性ブランコへのコメント時に「並列だから、非常に悩ましい」と漏らしており、どこかで他の審査員と採点が合わないことを気にしている様子だったが、ぼくはこれを悪いことだとは思わない。去年までは審査員同士が「一緒に笑えたかどうか」を大きく見ており、くだらないネタでも笑いの量が大きければ高得点が出てしまう傾向にあったと思う。どこかで審査員同士の仲がよく、「そうだよな、これ面白かったよな!」と審査で一体感を感じたがっていたように見えた。

 

ただ、今年は本当に各審査員で評価するポイントが異なっていた。展開、発想、キャラ、ワードセンス。コントというある種自由な枠組みの中で、何を評価するか。それぞれが異なるものを評価しながら、個人としてはしっかりとした軸を持って評価したことが素晴らしい。

 

なので、途中までは「何を評価するかで採点が割れるような大会になるのかな」と思っていた。どのコンビも面白い。だけどそれぞれに良さがあるため、誰がどこを大きく評価するかで、優勝者が決まるのではないかと。しかしそれがザ・マミィの登場で大きく変わった。「お前すごいねえ!!」「少しは人を見た目で判断しろ!!」からの「この気持はなんだろう」は最高だった。ヤバい人に対して「こいつヤバいな!!」とツッコむのではなく、ヤバい人を信用する人、そこに「少しは偏見を持てよ!」とツッコむ。酒井のもともと持つヤバい人というパーソナリティを活かして、さらにそれをもう一つ掘り下げた最高のネタだった。後半の林田が歌に入るところで「目に見えないエネルギーの流れが、大地からあしのうらを伝わって」という歌詞すらも面白かった。

 

これで大会が決まったか? と思わされた瞬間、登場したのが空気階段だった。「ここでヤバい人ネタが続くのか。空気階段には不利な流れだな」と思ったのもつかの間。「私は、消防士です!!」ですべてを持っていかれた。小峠がニッポンの社長へのコメントで「ボケのセリフを一つも言っていないのに笑いをかっさらった」と言っていたが、空気階段はそれのさらに上位互換。そこに対してツッコミもせず、二人が「状況」の中で当然のセリフを言っているのに、「状況」が面白すぎてコントになっている。後半変な音楽の中でもぐらがもだえるシーンも、「ここは社交ダンス教室?」とあくまで「状況」を作り上げていて最高だった。このネタこそキングオブコントにふさわしいネタだったし、コントオブキングだった。486点。14点しか失点していないパーフェクトのネタだった。これを超えるネタは今後現れるのだろうか。現れる日を楽しみにしたい。

 

★★★

 

ザ・マミィのネタが大会の空気をガラッと変え、空気階段がすべてを決定づけたことに偽りはないのだが、ぼくがこの日一番最初にしっかり大笑いしたのは、ニューヨークのネタ後のコメントだった。松本人志の「おおむね、漫才でもできるネタなんですよね」に対して、屋敷の「じゃあM-1でこのネタやるから高得点付けてくださいね!? 100点付けてくださいね??」が最高だった。あそこで一つ大きな笑いがあったことは、その後の二組の爆発と無関係とは言えないと思う。ミルクボーイが優勝した年のM-1もトップバッターのニューヨークがネタ後のコメントで「最悪や!!」を出して、そこから空気が和らぎ良い大会になったと言われている。伝説の回に火をつけるのは、もしかしたらニューヨーク屋敷なのかもしれない。

 

「ネタの面白さ」と「それがどう評価されるか」の2つの軸に対して、最高のネタが並び、そしてそれが大きく評価された。それにより誰にもケチをつけられずに伝説の回になっていった。ファイナリスト10組、審査員5名、MCの浜ちゃんや、そこにいた観客も含めて、この大会を作り上げたすべての人たちによって出来上がった最高の大会だった。少し涙が出た。「生きてる意味があります」ですわ。

キングオブコント2021予想 〜蛙亭が時代を動かす〜

今日、19時から「キングオブコント2021」が放送される。

ニューヨーク屋敷いわく「渋いメンバー」と言われる10組が揃ったが、個人的に注目しているコンビがいる。「蛙亭」だ。

 

賞レースとは、「次世代のスター」を排出する番組である。賞レースで優勝したり、注目を集めたコンビは、テレビの舞台への挑戦権を得ることができる。ただ、近年では「次世代のスター」どころか、時代そのものが動いている印象も弱くはない。

 

最も印象的だったのは「第7世代」の活躍だ。キングオブコント2018でハナコが優勝し、同年のM-1グランプリ霜降り明星が制した。そこからの第7世代の活躍は説明するまでもない。テレビが第7世代一色になり、どこを回しても第7世代の姿を見るようになった。

 

ただ、その勢いを止めたきっかけも、賞レースにあったように思う。霜降り明星が優勝した翌年のM-1グランプリはミルクボーイが、その翌年の2020はマヂカルラブリーがキングの称号を手にした。キングオブコントも2019はどぶろっく、2020はジャルジャルと、第6世代の実力者たちが王者に輝いている。

 

そこで現在のテレビを見てみると、やはり第7世代の勢いはわずかに陰り始め、逆に第6世代の実力者たちがその実力を大いに発揮している。もちろんテレビとネタでは、その役割も内容も違うことはわかってはいるが、マヂカルラブリーがその実力の裏付けとして、ある種のプロップスを得たことは活躍に大いに関連していると思う。

 

 

そこで、今回のキングオブコント2021だが、ここで蛙亭が優勝するとキングオブコントで初の「女性王者」が生まれることになる。近年、テレビでの女性芸人の需要は徐々に高まっているように思う。テレ朝深夜のバラバラ大作戦では、Aマッソ加納、3時のヒロイン福田麻貴、ラランドサーヤの「トゲアリトゲナシトゲトゲ」がトガリまくったお笑いをやっているし、同枠でピン芸人ヒコロヒー擁する「キョコロヒー」は総選挙という投票企画で1位にもなった。他にも納言やぼる塾、吉住等、ネタやバラエティで活躍している女性芸人は多くいる。

 

時代が動くきっかけはすでにある。ゆりやんレトリィバァR-1グランプリを優勝したことである。女芸人の賞レース「THE W」も優勝していたし、ゆりやんの実力はすでに知られていたこともあって、「女性がR-1を制した」ことのインパクトはあまりなかった印象だが、ここで蛙亭が優勝し、「女性初」が注目されれば、時代は大きく動くのではないだろうか。

 

蛙亭もそうだが、今の女性芸人は「女であること」をアイテムの一つにはしても、武器にはしていない。そもそも女性芸人と男性芸人を分けて考えることすら、ナンセンスなのかもしれない。ただ、お笑いにおいても女性のほうが優れている能力は確かにあるように思うし、女性だけが見えている景色も存在するように思う。その「角度の違い」が、今確かに実力がある女性芸人たちの口から語られることで、ある種の「新しさ」を感じてしまうのかもしれない。

 

 

奇しくも自民党の総裁選でも女性初の総理大臣として高市早苗さんが注目されていた。惜しくも高市さんは自民党総裁にはなれなかったが、時代的に世の中が女性の力を求めている背景はできあがりつつある。お笑いの世界では、ここで蛙亭がキングになり、女性芸人の時代を作り上げてほしい。だって女性芸人は面白いから。