おみやげをもらってばかりの人生である。たまに友人や親戚に会うとおみやげをもらう。おみやげをもらうことは本来嬉しいはずだ。しかしそれ以上に、ぼくがおみやげを買ってないのでなんだか申し訳ない気持ちになる。
おみやげを買うのが苦手だ。というよりあんまり好きじゃない。まず絶対に買ってあげたいおみやげがあんまりない。本当に美味しかったり、本当にあげたいものがあればいいのだが、いつも「おみやげを買う」ことが目的になってしまい、なんか途中から「なんでもいいから買って帰らなきゃ」って気持ちになる。そしてそんな気持ちの入っていないおみやげを選んでる時間がもったいなく感じてしまう。せっかく旅をしにきたのに、なぜぼくは買いたいと思ってないものを選ぶために時間を使っているのだという気分になる。ぼくはおみやげを買いにきたわけじゃなく、旅をしにきたのに。
最高のおみやげは「みやげ話」だとぼくは思う。いいよお菓子は。そんなことより旅の話を聞かせておくれよ。そっちのほうがもらって嬉しいよ。その文化を流行らせていきたい。あ、でもキーホルダーなら欲しい。
