「自分の名字を捨てるのが嫌だから破局した」という女性の動画をネットで見た。動画の趣旨としては「くだらないことにこだわって婚期を逃した人」みたいな映し方だった。たしかに女性が男性の姓を名乗ることは、大多数が受け入れていることではあるが、冷静に考えるとその「当たり前」に思考停止しているに過ぎないような気がしないでもない。ぼくは男性なので結婚するときに奥さんを自分の名字に変えてもらったけど、単純に考えて自分の名字を変えるのは手続きとして面倒だし、今まで名乗ってきた名字に愛着を持つのも当たり前の感情のような気がする。夫婦別姓にすべきという強い感情があるわけではないが、そちら側の感情を理解することはできなくないなと思ったし、それをおかしなことだと切り捨てることのほうがおかしいような気がした。個人的なことをいうと、職場で名字が変わった人に対して新しい名字で呼ぶのが苦手だ。だから下の名前で呼ぶように変えたりしているのだが、それはそれでキモいような気がする。結局ぼくがキモいという、そういう話。
