学生時代、僕はうんちがしたくなると授業中にトイレに行っていた。
これは「授業中だろうが関係なくトイレに行った」という意味ではない。
「授業中にしかトイレに行かなかった」という意味である。
なんなら、休み時間にうんちしたくなった場合は、頑張って我慢して、
わざわざ授業が始まってからうんちをしにトイレに行っていた。
なぜ授業中にトイレに行くか。
それは休み時間にうんちをするのが恥ずかしいからだ。
「授業中にトイレに行く方が恥ずかしいじゃないか」
という意見もあるかもしれない。
でも僕にとって、授業中に席を立ってトイレに行くことは、
あまり恥ずかしいことではなかった。
もちろんクラスの全員に「あいつうんこしに行きやがった」
と思われるのも理解している。
けれど僕にとって本当に恥ずかしいのは、
自分が個室に入っているときに、誰かがトイレに入ってくることだった。
今考えれば自分でもその理由がよくわからない。
個室から出るところを見られたくなかったからなのか、
はたまたそこにいる誰かに、個室にいることを知られたくないからなのか。
明確な理由ははっきりしないが、とにかくそれが恥ずかしかったのだ。
だから僕は休み時間にトイレに行くことを避け、
授業中にトイレに行くことを選んだ。
誰かこの考えを理解してくれる人はいないものか。
さもなければ、僕は世界でひとりぼっちになってしまう。