微炭酸のしょう油

くだらなき こともなき世を くだらなく

深くお辞儀することを心がけている

ローソンのきれいなお姉さんが「ありがとうございました」と深くお辞儀をしてくれた。ぼくは「綺麗で礼儀の良い人だなあ」と思った。そういえばぼくも仕事でお客さんを相手にするときに「深くお辞儀をする」ことを心がけている。これはお客様に対する礼儀を大切にするとかそういう意味じゃない。「深いお辞儀」がめちゃくちゃコスパが良いからだ。お客さんに最後に「ありがとうございました」と言うとき、ぼくはここでわざとらしく深く頭を下げる。そうすると相手は「礼儀の良い人だなあ」と思うはずだ。物理的に見れば、ぼくがただ頭を数センチ下に移動させただけなのに、「この人は礼儀が良い」とお客さんの気持ちを良くすることができる。本当は頭の中はなんにも考えていないのに。ただ自分が良く思われたいだけなのに。なんなら深くお辞儀をしない同僚をバカだと思っている。ちょっと頭を下に下げるだけで印象が良くなるのに、やつらはその少しをしないから印象が良くない。べつに言ってる内容は大して変わらないのに。そういうところに頭が回らないからお前らは馬鹿なんだよなあと思いながら、ぼくは今日もお客さんに深くお辞儀をしている。もしかしてローソンのきれいなお姉さんも同じか? いや、そんなことない。彼女はそんなはずはない。ないはずだ。きっと。あのお姉さんをぼくなんかと一緒にしないでほしい。