豊臣秀吉ブームが止まらない。今は司馬遼太郎の「新史太閤記」に夢中だ。豊臣秀吉が「太閤」と呼ばれるに至るまでを描いた歴史小説。のはずなのだが、上下巻の上がそろそろ終わるのに、まだ織田信長がバリバリ生きている。そんでもって豊臣秀吉はずっと信長にペコペコしている。描かれているのは「いかに部下として優秀だったか」だ。短気で気難しくて稀代のカリスマである織田信長に、どれだけ気に入られて可愛がられたか。そしてそんなカリスマをある意味で上手く操りながら自分の地位をあげていったか。それが分厚い本の半分で語られている。この後本当に信長死ぬのか？ それくらい秀吉はずっとペコペコしている。ただそれでも秀吉はかっこいい。言葉で、行動で、愛嬌で周りの人間を思い通りに操って、自分の目的を達成していく。相手は操られていることすら気づかない。その愛想の良さに気持ちよくなりながら秀吉を受け入れてしまうのだ。いまぼくは職場で先輩と後輩に挟まれる中堅どころになってきたのだが、その状況にぶっ刺さりまくる。上からも下からも嫌われずに組織の中で自分の地位をあげていく、そんな秀吉がとても痛快。もう少しで上が終わるので、下を読むのが楽しみ。ここからついに「清須会議」を経て秀吉が天下を統一していくことになるのだろう。今日もこれから読む。楽しみだ。
