微炭酸のしょう油

やわらかいところ、刺してもいいですか?

魔女の宅急便でどうしてジジは喋らなくなったのか

魔女の宅急便やってた。大人になってから久しぶりに観るとまた違って見えるものだ。黒猫のジジ。物語の終盤ではジジの声が聞こえなくなるシーンがあるが、最初からジジは喋れたのだろうかと思ってしまう。底抜けに明るいキキに対して、ジジは少しいじわるでネガティブ。まるでもう一人のキキの心の中の声のよう。最初からジジの声が聞こえていたのはキキひとり。キキを待っていたトンボを見つけてジジが「あの男の子だよ!今ならまだ間に合うよ」と言うが、それはキキのもう一つの気持ちだったのではないだろうか。そしてジジは喋らなくなるが、ジジが喋れなくなったのではなく、キキがその声を聞こえなくなったみたいに見える。同年代の子たちを見てイライラするキキ。そしてジジの声が聞こえなくなり、空も飛べなくなってしまう。魔法を失って、歩いて、バスに乗って、絵描きのウルスラヒッチハイクする姿はまるで普通の女の子だ。キキは選べたんだと思う。普通の女の子になるか、魔女として生きるか。そして最後にはもう一度空を飛んだ。そう、飛んだんだ。