微炭酸のしょう油

やわらかいところ、刺してもいいですか?

「清須会議」

今日一日で三谷幸喜の「清須会議」という本を読み切った。もともとは映画を観てめちゃくちゃ面白くて、最近本屋でたまたま小説版を見つけたので買ってきた。内容としては歴史物で、織田信長明智光秀に殺されたあとの後継者争いを決めるために実際に行われた「清須会議」がもとになっている。主人公は後に天下を統一する豊臣秀吉。対抗の柴田勝家が豪快で単純な人間なのに対して、豊臣秀吉はその人心掌握術と根回しの上手さで「会議」を思い通りに運ぶという話だ。

この物語は過去の歴史で実際に行われた会議を舞台にしているが、現代社会の「会議」でも重要なことはなんら変わりはない。豊臣秀吉は言う。「後は根回しである。会議が始まった時には、既に決着がついているのが理想だ」。いや、マジでこれなんだよ。職場で何かを決めるときに、会議で何かを決めようとするやつは二流だ。二流以下だ。会議が始まるその前に、根回しをして決着をつけるのが仕事というものだ。まずこの人に話を通して、そしてそのことを今度はこっちの人に伝え、「◯◯さんも賛成してくれたんですけど〜」と言いながら別の人に賛同を求める。同時に雑談を交えてそれぞれとの関係も良くしておく。たまに若手が他の部署の先輩に要件を伝えるのに電話を使っているが、マジでバカだと思う。わざわざ席まで行って、ニコニコペコペコしながら要件を伝えながら関係を良くしておくのが、社会人の技の1つだ。ここで恩を売ったり、喋れるきっかけを作っておくことがどれだけ大切かを理解していないのだ。そんなんじゃ天下取れないぞ。