微炭酸のしょう油

やわらかいところ、刺してもいいですか?

ライムスター宇多丸が「清須会議」を批判していたけど見当違いも甚だしい

ライムスター宇多丸が映画批評で「清須会議」を酷評していたのを聴いた。というわけで映画「清須会議」を見直しておる。やっぱり最高。秀吉かっこいい。宇多丸氏はこの映画を「正直でまっすぐな人間が騙される残酷な話」と評した。おいおいおいおい嘘だろうよい。まさかそっちの視点で観る人いんのかい。話し合いの場ではまっすぐなだけじゃやられるだけ。大義のためにはダサくて泥臭い仕事をしながら、裏では自分の思い通りに場を動かすっていう、そういう映画だろう。ラッパーは組織で仕事したことないんか。「そんなところで大声出したら周りに聞こえちゃう」みたいな批判もしていたけど、いやいや、これはお互いが相手の動きを分かった上でどう動くかの話。そのために「相手が聴いている」ことを説明なしに行うためにわざと大声でやっているんじゃないのか。また、「最後の見せ所の会議では、事前に秀吉が動いた通りに物事が運ぶからつまらない」と言っていたが、その通りに物事が運ぶから面白いんだろう。この人は終始なにを言っているんだと思った。全部を思い通りにする様を勝家にも、観客にもまざまざと見せつけるのが映画のクライマックスだろう。あと忍びのシーンがいらないと言ってたが、それはマジで言ってんのか。あれは登場人物のすべてを懐柔してきた秀吉が、最後に敵である柴田勝家までも味方にしてしまうためにあるもの。宇多丸氏の批評はその映画がなにかを解説するものでなく、結局自分の好みに近いかどうかで語ってるにすぎないように感じる。そもそもこの人が過去に番組で出した映画「タマフルザ・ムービー」が糞すぎて、それ以降この人の映画批評が頭に入ってこない。まあいいや。とにかく「清須会議」久しぶりに観たけど面白かった。小説版と違う箇所もあったな。映画のほうがコミカルに、そして秀吉の腹黒さが控えめになっているように感じた。大泉洋素晴らしい。まじで仕事する人みんなに観てほしい。人生のベスト10くらいに入ってくる映画だわ。