微炭酸のしょう油

やわらかいところ、刺してもいいですか?

寿司

寿司を食ってきた。いわゆる一皿100円の回転ずしとは違う、少しお高めの寿司屋さんだった。

 

僕が頼んだ中トロは一皿700円もした。サイゼリヤに行けばお腹いっぱい食べられて、間違い探しもできる値段だ。それを僕は二口で口の中に放り込んだ。味覚がそれを捕まえると、広がったのは大いなる海だった。かつて海を遊泳していたであろう一匹の魚類が、その体内に蓄えた血肉の結晶。生を食らうことで輪廻する連鎖の先端。美味を感じるよりも、先に思い浮かぶのは生の実感か、いや、やっぱり美味のほうだった。つーか普通に美味。生のことなんてこれっぽっちも無。美味のみ。美味のみ。

 

妻と二人で7000円を超える出費となった。一度の外食にしてはさすがに大きな贅沢だが、飲み会に参加すれば5000円札程度は一瞬で吹き飛ぶことを考えれば、その見返りの幸福度は十分満足に値するものだった。

 

間違い探しがあれば完璧だった。