微炭酸のしょう油

やわらかいところ、刺してもいいですか?

劇場版「あたしンち」が面白かった

例によってdビデオで動画を観る毎日なわけだが、アニメ「あたしンち」の映画版が面白かったので書いてみる。

 

アニメあたしンち劇場版母がみかんに、みかんが母に
 

 


もともと「あたしンち」というアニメは立花家という父・母・姉・弟という4人家族の日常を描いた"サザエさん系"のアニメ。母がご近所さんたちと喫茶店に行く回があったり、姉のみかんや弟のユズヒコの学校様子を描く回があったりと、「あたしンち」というタイトル通り、一般的なひとつの家族の日常をおもしろおかしく描いている。

そんなアニメ「あたしンち」だが、この劇場版は少し毛色が違う。「あたしンち劇場版母がみかんに、みかんが母に」というタイトルから分かる通り、お母さんと姉のみかんが入れ替わる。中身だけがそれぞれ入れ替わった母と姉。身体がみかんになってしまった母が学校に行ったり、身体が母になったみかんが母の同窓会に参加したりがこの映画のメインだ。

この「身体が入れ替わる」って部分だけど、アニメ「あたしンち」からしたら絶対にありえない設定である。例えるなら「サザエさん」でサザエとワカメが入れ替わるようなもの。それくらいのありえない現象が、劇場版では起きているのだ。つまりは"日常"の中で展開していたアニメが、"非日常"の中に放り込まれるわけである

これがとても面白い。家族が"非日常"に放り込まれることで、それでも家族は家族としてその距離感、関係性を保ちつつ、その上でその特異な状況が逆に普段の家族の"日常性"を際立たせている。

最後にもう一度もとに戻るために家族は力を合わせて頑張るのだが、そこで見せる母の愛情に涙。そしてその後のコミカルな展開に一笑いありと、泣けて笑えるエンターテイメントに仕上がっている。


あたしンち」は男の僕からすれば、母親のその独特のウザさが"あるある"すぎて少しイライラするレベル。でもその感じもどこか昔の実家にいたころの家族の関係性を思い出したりして、微笑ましく感じたりもするのだ。

年末年始、実家に帰る人も多いだろうけど、大人になった今もう一度ゆったり観て面白いということで「劇場版あたしンち」はおすすめです。