微炭酸のしょう油

くだらなき こともなき世を くだらなく

日曜日は寒いらしい

「日曜日は寒いらしい」ということを聞いて、めちゃくちゃテンションが下がっていた。というのも、日曜日に社会人サッカーの試合に行く予定だったからだ。その週の月曜日くらいから「日曜は寒い」「日曜は寒い」と聞いていた。何回かに1回は「寒い、日曜は」という倒置法だったかもしれない。「雪が降る可能性もある」とのことだった。いや、雪が降ったら終わりだ。「まあでも途中で雨になるかもしれない」「いや、どっちも嫌だろ」そんな一週間だった。

ギリギリまで仮病で休もうと思っていた。こんな寒い中でサッカーの試合なんてやったら風邪ひく。めんどくさい。急に熱が出たことにするか。もしくは膝が痛いことにするか。そんなこんなでいろんな言い訳を考えては、それを言い出せずに当日の朝になってしまった。こんな日に限って朝の第1試合だという。最悪だ。ぼくはカーテンを開けた。外は一面雪景色だった。ああ終わった。最悪オブ最悪だ。

マジでドタキャンを考えた。でもぼくは7時30分に家を出た。大人だから。まあとりあえず行くだけ行く。後のことは知らん。とっととサッカーやって、家に帰ってお風呂に入ろう。そんなことを考えながら信号待ちをしていると、ポケットのスマホがブルっと震えた。チームメイトからのLINE。「今日は中止です」。ぼくは天に向かって手を突き上げた。どんな勝利よりも嬉しかった。