微炭酸のしょう油

やわらかいところ、刺してもいいですか?

「野球のバッターだって3割打てれば一流」という理論が気持ち悪い

「野球のバッターでも3割打てれば一流なんだから」

よく聞く言葉だ。でもふと思ったけど、これってなんか気持ちが悪い。

 

野球のバッターが3割打てれば一流。だからそんなに成功率が高くなくても良いっていうことの例えだと思うけど、でも野球のバッターが3割で良いのは「150キロ近いピッチャーの球を打ち返す」という場合だけであって、例えば野球のバッターが3割の確率でしか1塁に走らないで、あとは違う方向に走るかもしれないっていうのだとすごく困るだろうと思う。

 

何が言いたいかっていうと、「いまバッター関係なくない?」ってことであって、確率の話のときになんでもかんでも野球のバッター出されても、それは違う話じゃないですかってなってしまう。

 

なので、確率の話のときに野球のバッターで例えるのはもうヤメにしましょう。バッターだっていちいちネクストバッターズサークルで待ってるのもしんどいだろうし。

 

なあ、しんどいよなあ?

 

 

文庫本の醸し出す熱

この前、Jリーグ栃木SCの試合をスタジアムに観に行ったときのこと。あの日は灼熱だった。午後6時キックオフではあったものの、試合開始前の練習を観たり、スタジアムの雰囲気をゆったり味わうためにはもう少し早く行かなきゃいけないということで、4時半くらいにはスタジアムに到着した。

 

まだ太陽が沈まない時間であり、屋根もない観客席で座っていたらそれこそ死んでしまうということで、私たち(弟と一緒に来た)は日陰でかき氷でも食べながら時間を潰すことにした。

 

そこで目に止まった人に私は少しかっこよさを覚えてしまった。それは日陰ではあるものの、灼熱の外で一冊の文庫本を読む男性の姿だった。腕まくりをし、日陰で地べたに座り、汗だくになりながら一人、カバーを外した文庫本を読む男性。それが文庫本だったのがまた良い。古本屋に行けば100円から買えて、それでいて一冊を読み終えるのにはある程度の時間を要する。その意味では文庫本とは世界で最も安価で時間を潰すことのできる娯楽だ。それゆえに醸し出すのは無骨さであり、泥臭さであり、加えてチャラチャラとおちゃらけていない頭の良さも感じられた。雑誌でも、漫画でも、ハードカバーでも駄目だ。それが文庫本だったからこそ、そこにあった景色は風景として完成していたのだと思う。

 

おしゃれなカフェでコーヒーを飲みながら、ハードカバーのお気に入りの小説を静かに読むのも良い。しかしその対極にあったあの風景もまた、小説の読み方としては最高にロックでかっこいいものだった。

 

私も文庫本で小説を読もう。もちろんカバーは外して。

0.5の優しさ

職場の帰り道、霧雨が降る中で、なかなか変わらない信号を待っている職場の女性に会った。「お疲れ様です」とは挨拶はするが、それ以上の会話はかわなさいくらいの関係性の同僚だ。

 

少しだけ強くなった雨。私は右手に傘を持っていたが、それを差すことはしなかった。理由はひとつだった。同僚の女性が傘をもっていなかったからだ。

 

なんとなしに目線を外して立っていると、同僚の女性が私に聞いた。

「傘、差さないんですか?」

私は答えた。

「だって、差しづらいじゃないですか」

 

一人で傘を差してしまうと、「なんであの人、女の子が濡れてるのに自分だけ傘差してるの?」と思われるし、かといって「これ使ってください」と自分の傘を差し出すほど、私は純粋な優しさを持ち合わせていない。

 

ならば共に濡れる道を選ぼう。それが私の優しさだ。

1には満たない、0.5の優しさなのだ。

 

 

当たらせる人

二日間、研修ということで職場の同期と一緒に講義を受けてきた。グループワークを間に挟んだりもしたが、基本的には喋りたがりの先生のよう。白髪交じりの頭と、微妙に膨らんだ腹。典型的なおじいちゃん先生はひとつのことを伝えるのにとんでもなく時間を使うってことで、全体的に話を聞いている時間がとんでもなく長かった。

 

昼休みが明けたとき、先生が何やら謎の袋を前のグループの机に差し出した。どうやら中には大量のアメが入っているらしく、生徒は自分の分をとると、その大きな袋を次の生徒に渡していく。私の番が来た。私はその中のひとつを取ると、ペンケースからマジックを取り出してそこに「あたり」と書いて袋に戻した。しばらくすると後ろの方の席から「なんか当たったんだけど!」と聞こえてきた。

 

ふっふっふ。当たらせたのは私だ。

私は炭酸水を選ぶ

最近、炭酸水を飲んでいる。健康に良いとか、味が美味しいとかではない。これを観たからだ。

 

youtu.be

 

 

今までは炭酸水はどちらかというと嫌いだった。味もないし、飲みにくいし。「いや、水飲めばいいじゃん」って思ってた。でも、この動画を観て思った。「炭酸水だな」って。今は職場でも朝かならず自動販売機で炭酸水を買ってから仕事を始めている。眠気の残った体に炭酸水を流し込む。私は思う。「ああ、炭酸水だなぁ」。そしてなぜか急に炭酸水が美味しく感じるようになった。今までは物足りなく感じていた無味に対しても、「いや、それが炭酸水じゃん?」と思えるようになったし、味のついた炭酸飲料水を飲むと逆に「炭酸水じゃないなぁ」とさえ思うようになった。

 

というわけでAmazonで炭酸水を買った。これでもっと日常に炭酸水を流し込むことができる。ああ、炭酸水。

 

 

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