微炭酸のしょう油

やわらかいところ、刺してもいいですか?

雨の中、心の中

ふとフィットネスクラブの横を通ると、中にバスケットのコートが見えた。

ああ、バスケしたいなー。安西先生じゃなくてもいい。バスケがしたいです。言ってもぼくのバスケ経験は授業の体育のみだ。バスケ部なるものに入ったこともなければ、ストリートバスケでならしていたこともない。でも久しぶりにバスケットコートを見たら、バスケがしたくなった。

大人になると色々とできなくなる。バスケもそのひとつだ。ふつうに試合をやるとして、5対5でも10人集めなければならない。世間一般の平均友人人数は知らないけど、僕の場合、全友人を集めても10人には遠く及ばない。

そう思うと、学校の授業でバスケをやれていたことってすごい幸せなことだったんだなって思う。だって高校を卒業してから、バスケをやる機会はなかったし、なんならバスケットボールにも触ってないかもしれない。


今日は雨が降った。買い物の帰り道、近くの中学校には雨の中で部活に勤しむサッカー少年たちが見えた。それも今しかできないんだぞ。そんなことを心の中で思いながら、ぼくは右手にもったビニール袋を見つめる。牛乳、ペプシ、アクエリが入っているビニール袋。合計3.5リットルの飲み物類は死ぬほど重くて、持ち手の部分が手のひらに食い込んで、千切れるかと思った。なぜ雨の日にこんな一気に買ってしまったんだろう。それも心の中で思った。

 

成人式で思いだすこと。自分には親友と他人しかいない - 微炭酸のしょう油

 

 

スラムダンク『あれから10日後-』完全版

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