微炭酸のしょう油

やわらかいところ、刺してもいいですか?

「花とアリス」の感想

花とアリス」を観た。

 

花とアリス 特別版 [DVD]

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以前にも観たことはあった。あれはたしか大学生のときだったような気がする。そのときの感想と言えば「蒼井優の最後のバレエがすげえ!」って印象が強くて、というか強すぎて、それしか覚えていないような状態だった。

 

観なおしてみて、まあ「三角関係」とか「記憶喪失」とかいろいろあったけど、とにもかくにも思ったのは「良いわー」って感想。キラキラしたものの原液をそのまま保存できたかような、まるでだれかの想い出を覗き見させてもらってるかのような映像がすげー素敵。全体に渡る演技の自然さはもちろんなのだが、特に蒼井優の俳優としての個人技に圧倒されるというか。この時期の蒼井優を保存できていることだけでも文化的な価値があるんじゃないか説を唱えたくなるような、そんな映画だった。

 

27歳ともなると高校生のキラキラってなんとも言えない「良いわー」って気分になるんだけど、それって観てるこっちの中になる自分のキラキラと相まってそれぞれ違った跳ね返りをするような気がして。これをまた5年後に観たら、5年分の距離の離れがまた違ったキラキラを見せてくれるんじゃないかなーって思った。

 

個人的にも蒼井優は大好きなので、どうしても蒼井優蒼井優になっちゃうんだけど、鈴木杏の「いじわるなおばあさん」ぶりもとてもグッド。これってまるで昔ばなしのような構造になっているのだけれど、顔の感じも含めて鈴木杏の気の強さがよく出ている。最後の涙と「事実は、ありません」の言い方とかも最高。んでもってそれが最後に報われて、良かったねーって気分にもなる。

 

大学生のときから比べてだいぶ主観から客観に寄って観ることができて、輝きを増したような気がする。あのキラキラを違った角度で見たいときに観なおしてみたい映画だった。