微炭酸のしょう油

やわらかいところ、刺してもいいですか?

カルチョビット、それは「思い通りに動かせない」チームを「思い通りに動かす」ゲーム。

そもそも「カルチョビット」とはどういうゲームなのかを説明しよう。昨今、サッカーゲームと言ってもいろいろある。例えばウイニングイレブンみたいに選手を操作して試合をするゲームもあれば、サカつくのようにクラブ経営に特化したゲームもある。そんな中で「カルチョビット」は何をするゲームかといえば、サッカーの「監督」になるゲームと言えるだろう。

 

サッカーの監督。かつてはトルシエジャパンジーコジャパンと言ったように、日本代表は監督が変わるたびに、その名前が代表のチーム名を表すこともあった。それほどまでにサッカーにおいて監督というのは重要な存在なのである。試合に出場するメンバーを決め、フォーメーションを考える。そんな戦術によってチームを勝たせるのが監督の役目だ。

 

そんな監督が試合中にできること。それは「あんまりない」。確かに試合中にテレビで姿を抜かれるときは、選手に対して指示を出してるときはたまにあるけど、言ってもサッカーやるのは選手だし、指示って言っても全員が言う通り動くわけじゃない。サッカーの監督が試合中にできることは実はとても限られているのだ。

 

さあ、そんな中で「カルチョビット」。ここまで書けばなんとなくわかるだろうが、このゲーム、試合中にできることは「あんまりない」。実際の監督と同じく、まあできて選手交代したり、フォーメーション変えるくらい。シュートボタンもなければ、パスボタンもない。「右から攻めろ!」みたいなことすらできない。ただ、できることは「試合を観る」ことくらいだ。

 

しかし、この「試合を観る」ことこそが、「カルチョビット」においてはとんでもなく重要なことでもあるのだ。例えば試合を観る中で、ある選手がシュートをして欲しい場面でパスをしてしまったとする。「カルチョビット」においては選手には「プレイスタイル」なるものが裏データとしてあり、その行動原理に則って動いていくとのこと。つまり、その選手は「パスを得意とする選手」ということがわかる。そうなると、「その選手は前に置くよりも、少し後ろのポジションでゲームを組み立てたほうがいいのではないか」。そんな予想が立てられる。そうやって少しずつ自分のチームを思い通りに動かしていく、それが「カルチョビット」というゲームなのである。

 

 試合中、選手を操作をすることはできず、選手を「思い通りに動かせない」サッカーゲーム。しかし同時に、試合を観ることでチームを観察し、選手の選択や配置によってチームを「思い通りに動かす」サッカーゲーム、それがカルチョビットというゲームの面白さだ。

 

結論から言おう。ぼくはセーブデータを消した。そして1からまたチームを率いている。めちゃ楽しい。結局、スマホアプリは「カルチョビット」があればよかったのだ。