ぼくの地域では成人式は中学校の単位で行われる。中学校ごとに会場が異なり、つまり中学時代の同級生しか同じ会場にいないということになる。まあ中学時代の友だちも会えば喋ったりもするし、なかなか楽しかったんだけど、ぼくが一番仲が良かったのは高校時代の友だちだった。
成人式が終わり、中学時代の仲間とボウリングをやった。そしてその後は居酒屋に移動した。ぼくはそこで「もういいかな」と思った。久しぶりに会ったというブーストはもう切れていて、もう本来の人間と人間の関わり合いになる中で、とくにこの人たちと深く関わることはないだろうという目論見のもと、ぼくは隠れて高校時代の友人にメールをした。高校時代の友人も同じような状況だったのだろう。返事はすぐに返ってきて、ぼくらはそれぞれの会を抜け出して会うことにした。
高校時代の友人と再会すると、とても安心した。いつもの空気感で会話ができることがこんなにも心地良いものなのかと思ったものだ。ぼくは言った。「成人式を1次会だとするだろ。そこから考えると、ボウリングと居酒屋を経て、こうして会っているおれたちのこの会は"4次会"だな」。そこからなんかこのx次会のxを最大に持っていきたいという欲が出てきて、その友人とxを増やす旅に出た。一度マクドナルドに行き、「これは5次会だな」と言って店を出る。そして今度はサイゼリヤに行って「6次会」を行う。
最終的には8次会くらいまでやったと思う。まあやったって言っても2人でいろんな店をはしごしただけだけど。これが青春というものか。ちがうか。
