微炭酸のしょう油

やわらかいところ、刺してもいいですか?

繰り返すのはポリリズムだけじゃない

最近「少女ファイト」を1巻から読み返している。面白い。面白いというか凄まじい。最新巻の16巻もなかなかに凄まじいので、お金が余って余ってしょうがないという人は1巻から16巻までを大人買いしていただきたい。良い漫画だから。

 

思えばぼくは同じ作品を繰り返し楽しむことが好きだった。例えばASIAN KUNG-FU GENERATIONの映像作品集1巻。アジカンが初めて出したDVD作品はMV集だったのだけれど、副音声でバンドメンバーのトークが収録されていた。ぼくはそれを何度繰り返し聴いただろう。もはや全部のトークを暗記して言えるんじゃないかってくらい聴いていた。ある種のスピードラーニングだ。

 

M-1グランプリの敗者復活戦も繰り返し観た。M-1グランプリと言えば漫才の日本一を決める大会で、決勝大会は8組の漫才師からチャンピオンが決まるのだが、そこに1組だけ「敗者復活枠」として滑り込めるコンビがいる。そのコンビを決めるのが同じ日に行われる「敗者復活戦」なわけだが、こちらは準決勝まで勝ち上がった70組近いコンビが出場する。70組もの漫才師が漫才をやるので、すべて観るには5時間くらいかかったような記憶がある。もはや地上波ですら放送されないこの番組を、ぼくは録画してひたすら観続けた。べつに修行をしていたわけではない。でもぼくは最後の漫才が終わるとまた最初に巻き戻して一組目から見返したのだった。

 

この世はコンテンツに溢れている。最近だと定額制のサービスが主流になってきて、以前よりも手軽にいろいろな作品に触れることができる。僕自身も映像配信サービスに加入しているが、逆に観たい映画や番組が多すぎて困ってしまうくらいで、なんとも良い時代になったなあとは思う反面で、同じ作品を繰り返すことの良さっていうのもやっぱりあるわなってことを忘れないようにしたい。まあ忘れないようにしなくても何回も繰り返し漫画は読むし、映画は観るんだけどさ。