微炭酸のしょう油

やわらかいところ、刺してもいいですか?

89分に訪れた必然

ナポリユベントスが素晴らしかった。試合開始から80分を過ぎたときに、それでも相手のDFラインにプレスをかけるナポリのメンバーがとても美しかった。フィールドの11人が、監督が、ベンチメンバーが、そしてサポーターたちが。まるで全員の勝ちたいという気持ちがそのままそこに描かれているかのような。そんなプレッシングだった。

 

ユベントスは割り切れなかったように見えた。王者の意地なのか、優勝への焦りなのか。ドローで良いと、思う選手もいたのだろうが、チーム全員がそれのみに目的を変えるまでには至らなかった。

 

チームがひとつの人格であるならば、ナポリは実に愚直に見えた。最後のコーナーキックを奪ったクロスの際、ゴール前に飛び込んでいたカジェホンは、その何分か前に自陣ゴール前で果敢なプレスバックによってゴールを守っていた。ユベントスに必死さがなかったようには思えない。しかし、その力点をどこにかけるかを、チームとして定めることができなかったように思う。

 

ナポリはひとつだった。クリバリーのゴールが必然だと思えるくらい、それは美しかった。