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微炭酸のしょう油

やわらかいところ、刺してもいいですか?

部屋が明るいのは素晴らしいことだ

それは引っ越しの2週間前だった。朝起きて部屋の電気を点けると、一度パッと明るくなって、その後いきなり部屋が暗くなった。おかしいと思いもう一度スイッチをONにする。同じように一度明るくなってからまたすぐに暗くなった。一度全ての蛍光灯が明るくなるので、蛍光灯が切れたとしたらこんな動きはしないはず。そう思って街の電気屋さんに電話してみた。

少し態度の悪いおばちゃんに症状を説明すると、「うーん、基板が悪い可能性もありますね。ただ見てみないとなんとも言えない」と言われた。もしも家に来て見てもらうとしたら、出張費がかかるらしい。でもどうせ2週間後に引っ越す家の電気に高いお金は払いたくないし。そこでぼくらが選択したのは、「2週間電気なし」という選択肢だった。

一応スタンドライトをこたつの上に置いたので手元は明るくなるのだけど、やっぱり気分は暗くなる。電気が切れたその日になにを間違ったかカツ丼を買ってきてしまい、その取り調べ感に絶望もした。

引っ越しして、新しいライトを買おうと思ったそのとき、手伝いに来た母親に言われた。「もしかしたら使えるかもしれないから蛍光灯だけ替えてみたら?」。いや、もしも蛍光灯が悪かったとしたら、一度全部の蛍光灯が点くはずがない。だから無駄だと説明したのだけれども、母親という生き物は「とりあえずやってみろ」の一点張り。しょうがないから蛍光灯だけ替えてみた。

すると点いた。点くんかい。全然消える気配はない。「いや点きますけど」って感じで点きまくっている。じゃああの2週間はなんだったんだ。あの取り調べ感は無駄な取り調べ感だったというわけか。

新しい部屋の蛍光灯はオレンジの光にしてみた。暖かみがあっていい。早くこうしておけば良かった。