今まで自分は食べても太らない体質だと思っていた。
特に体重を気にしたこともないし、健康診断の結果はいつも「痩せ気味」だった。
BMI指数のグラフの「平均」の線を超えたことなんてなくて、
あれは僕にとって大きな壁だった。
そんなこんなで「食べても太らない体質」を自負していた。
その「象が踏んでも壊れない」と同じ文法を用いた表現。
「◯◯しても××ない」の一つの能力を持っていると思いこんでいた。
しかし最近それは誤っていたのでは、と思い知らされた。
それは嫁と回転寿司に行ったときのこと。
初めの"いか"と"まぐろ"を食べたときに思った。
「今日はイケる!」
この空腹感と食欲の勢いを考えれば、まだまだ全然食べられる。
今日は限界まで食べてやるぞ。
そう誓って食べ始めた。
そしてキャパの限界まで食べ尽くした後、お会計額を知って驚愕した。
2人で2000円ちょっと。
あんなに食べたのに。
280円の味噌汁も含まれているのに。
皿で言えば10皿程度だと言うのか。
そして僕は悟った。
自分は「食べても太らない体質」なのではない。
「あんまり食べられない体質」なのだと。
前者ならどこか類まれな能力を持っている感じがあるが、
後者はどちらかと言うとマイナスの意味合いを含んでいる気がする。
悔しさの中で絶望した。
来世は、手から炎が出る能力が欲しい。