微炭酸のしょう油

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アメトーークの立ちトーークにダブルブッキングの川元さんが呼ばれる理由

アメトーークの立ちトーークを観ました。
立ちトーークと言えば、アメトーーク的な「◯◯芸人」の括りではなく、芸人さんたちが集まって、その名の通り「立ち話をしよう」的な企画です。

そこにダブルブッキングの川元さんが呼ばれていました。
おそらく前回、前々回に引き続き3回連続のキャスティングなのですが、その他の人気芸人たちと比べ、認知度で言えばガクッと落ちる川元さんがなぜ呼ばれているのでしょう。

そもそも「ダブルブッキングの川元さん」と言ってすぐに顔が思い浮かぶでしょうか。
では「立ちトーークでいつもネガティブなこと言う人」と言ったらどうですか?
もしかしたら、「ああ、そういえばいるね」くらいには思ってもらえたでしょうか。
「ネガティブ」ですぐに顔が思い浮かぶ。
たぶんこれが川元さんが立ちトーークに呼ばれる理由です。

ダブルブッキングの川元さんと言えば、ネガティブな発言をする印象があります。
というかネガティブな発言しかしない印象ですよね。
今回も川元さんの最初のトークはこんなでした。

川元「僕この間『工業高校芸人』で出させてもらって、自分のスケジュールを見たら、11月に工業大学から学園祭のスケジュールが入ってて。昨日もう一回スケジュールを見たら、消えてました。」

 きれいなくらいにネガティブなトーク。
これに対して宮迫さんに「悲しい話をすな!」とツッコまれてました。

あそこに出ている人たちはトークのプロです。
もはや面白い話をするのが当たり前。
その中で彼らの凄いところは、自分の"らしさ"というエッセンスを加えてトークを出すところです。
例えば中川家の礼二だったら「アイドルの挨拶の去り際」にケチつけて見たり、バカリズムは独特の持論を展開したり、ハリセンボン春菜だったらやっぱりイジられるようなトークだったり。
立ちトーークと言っても、それぞれがそれぞれのポジションでトークしてるんですよね。

その中で川元さんは「ネガティブ」というポジションでトークをしている。
逆に言えば「ネガティブ」というポジションから出ないでトークしているんです。

近年、「空気が読める」という表現が世間に浸透して、いつでもどこでも空気を読まなくてはいけなくなりました。
アメトーークというトーク番組なんてまさにその最たる例です。
その時その時の流れを考えて、その中で自分のエピソードを発言していく。
今の芸人さんはどんな流れにも"合わせる"ことができます。

しかし川元さんはある意味で流れに「合わせる」ことはしません。
話のテーマからは外れないようにはしていますが、その内容はいつだって自分の「ネガティブ」な体験談です。
そしてこれが川元さんの最大の"らしさ"へと繋がっています。
「いつもネガティブなことを言う人」という。

自分のポジションから決して出ずに、常に"らしさ"を繰り出していける。
これがダブルブッキングの川元さんが呼ばれる理由なのです。